2024年3月の定例会報告
日時 2024年3月2日(土)15:00~18:00  会場 麻布中・高校&Zoom

1
物理チャレンジ2023年全国大会参加者のエネルギー保存の法則理解 右近 修治
2
オシロスコープを使った生徒実験 石井 登志夫
3
ボーカルを取り出す実験と最近の技術の紹介 今和泉 卓也
4
レンガでボイルの法則・水風船でシャルルの法則 殿村 洋文
5
強磁性体の磁化曲線の測定 増子 寛
6
4つのばねでつないだ重りの自由落下 喜多 誠
7
バレエのリフト 石﨑 喜治
8
磁場に関する実験 湯口 秀敏
9
ICT機器を活用した強制振動の実験 川崎 あゆみ
10
エネルギーについてあれこれ 広井 禎
11
新しい記録タイマーの紹介 高橋 和光


 
麻布中高の会場参加者が32名、zoom参加者が22名の計53名が参加。初参加の人もいた。遠隔地からでも容易に参加できるので、気軽に参加してほしい。総会も無事開催し,各議事の承認を得た。


 
右近さん 昨年度の物理チャレンジの解答を分析してみたが,やはりエネルギー保存則を理解するのは難しそうだ。LOLダイヤグラムやバーチャートなどのツールを利用して,系を意識する指導をしたい。

 
石井さん デジタルオシロやファンクションジェネレーターを班の数だけ揃えることができたので,コンデンサの充放電やコイルの自己誘導などの生徒実験を行った報告。生徒が操作できるのは大事。

 
今和泉さん 2016年3月例会発表の音の重ね合わせについて,技術の進歩と共に進化した点の報告。AIを用いたボーカル除去ソフトUVR5と音源編集ソフトAudacityを活用,重ね合わせを魅せる実験だ。

 
殿村さん 11月から化学の非常勤を始めた学校で,有り合わせの物でボイルの法則とシャルルの法則を実験した。注射器にレンガを載せたり水風船の直径を測ったり。絶対零度が-243度くらいは出た。


増子さん 磁化ヒステリシス曲線(俗称ナメクジ)を測定した話。ホール素子を使って,コイルの内部磁場や鉄,フェライトなどの着磁や消磁の様子を測定してグラフに表した。磁気センサって便利。


喜多さん phyphoxなどのスマホセンサを利用した加速度測定の原理を,力学的に説明するために作成した教具。振動しないように電磁ブレーキで制動する仕組みも付けた。ビデオでコマ送りして見せる。


石﨑さん バレエのリフトをするときに,どのタイミングで力を加えれば高くもちあげやすいのか。youtubeにあるバレエ動画から高さや時間を見積もってみた。自然界を解析する姿勢を大事にしたい。


湯口さん 銅釘や圧着端子を使うなど,実践したからこそ生まれてきたノウハウが随所に。授業時間内に終わり生徒が実感を持つことができる生徒実験だ。会場に道具を持ってきてくれて見せてくれた。


川崎さん 磁石を内蔵した小球に振動磁場をかけることでばね振り子に強制振動を加える装置を用い,空気中や水中での振動を観察,振動周期のうなりや共振曲線を得た。大学の学生実験になりそう。


広井さん 「系に熱を加える」という言い回しに疑問を感じて始まった考察。「熱」を入っていくエネルギーの実態と捉えられかねない描き方は避けた方がいいのでは。何をどこまで教えるか再考したい。


高橋さん 新しい記録タイマーの紹介。5打点ごとに打点(放電式だから放電か)がはっきりするような回路を搭載。数え間違いを防ぐ。GoDirectのセンサを利用した実験紹介集の紹介もあった。